名古屋市の西、庄内川の河口に広がる藤前干潟は、かつて、ごみの埋め立て予定地だった。「自分の子どもたちや、その孫の未来のために」と立ち上がった市民たちが、その計画を覆して守り抜いた。いま藤前干潟はラムサール条約に登録され、渡り鳥が羽を休める、生き物たちの楽園として保全されている。
Patagoniaの環境助成を受け、約1年をかけて、この干潟と、それを守り続けてきた人々の物語を、ドキュメンタリー「小さな生命、大きな未来。」として制作した。撮影の合間には、Patagonia名古屋店や「藤前干潟を守る会」の皆さんと、干潟の清掃活動にも参加した。気温36度の日の、1時間の集中清掃。何気なく捨てられたごみが、めぐりめぐってこの豊かな干潟へと流れ着いていた。
時代に消費されず、
時が過ぎても色褪せないものを作るために。
なぜ映像を一般公開せず、上映会という形を取ったのか。それは、届くべき人に届けたいと思ったからだ。絶え間なく情報が流れる現代の中で、たくさんの映像をかき分けて、かき分けて、見つけてもらう。お昼の部・夜の部と、満席の中で上映会を終えられたのは、足を運んでくださった皆さんのおかげだった。環境問題の流れの中で、行動の本質とは何だろう──渡り鳥や、底生生物の、生命の神秘に、触れてほしい。