「いのちの電話」は、死にたいほどの苦しみを抱えた人が、匿名で相談できる電話相談の窓口だ。コロナ禍で孤立が深まった時期、その電話は、100回かけて3回しか繋がらないほど、逼迫していた。

夏休みが明ける9月1日は、子どもの自殺が1年でもっとも多い日だと言われている。なぜ人は、自ら命を絶ってしまうのか。当事者でもある僕は、ずっと考えてきた。ひとつ出た答えは、「想像力」だった。身体の痛みも、心の痛みも、その痛みは本人にしかわからない。どれだけ叫んでいても、理解することは難しい。

「痛み」が、人々の想像力の欠如から生まれてしまっているのなら。僕は、与えられた賜物を通して、その想像力の手助けになりたい。そう決めて、映像の制作を続けてきた。ご縁が重なって、自殺防止に取り組む「北海道いのちの電話」の映像制作に関わらせてもらった。バンド・ナイトdeライトの希望あふれる楽曲「生きててくれてありがとう」とともに制作した映像は、DVDとなって小・中学校へ配送され、NHKでも特集された。

消費されない映像を、僕だから届けられる映像を、
全力で制作していく。

SDGsがいちばん伝えたいメッセージは、目に見えやすい環境問題だけではなく、「誰1人取り残さない」ことにある。困難のなかにいる人、声をあげられない人。目に見えない、内面の痛みのとなりにも、光が届きますように。