亜熱帯の海に囲まれた沖縄は、色とりどりのサンゴ礁がつくる、豊かな生態系の宝庫だ。けれど近年、その海に「白化」という異変が広がっている。海水温の上昇によって、サンゴが体内に共生する藻を失い、白く痩せていく現象だ。
初めて沖縄を訪れたのは、コロナ禍が始まる直前の2020年。2021年にはサンゴ礁の白化を取材し、その後も毎年、何かしらのロケでこの地に足を運んでいる。サンゴは、多くの魚や生き物のゆりかごだ。その土台が失われれば、海全体の命の循環が、静かに揺らいでいく。白化するサンゴ礁は、海がいま悲鳴をあげていることを、そっと教えてくれる。
変わっているようで、変わらない。
その永遠とも思える瞬間を、記録して残したい。
海の色、食べ物、匂い、音楽。この島に包まれるたび、ふと過去の思い出が波のように寄せては返す。自分自身の環境や状況は大きく変わったけれど、この場所は、変わっているようで変わらない。目の前の海が、次の世代にも同じ色でありますように──そんな願いを込めて、シャッターを切る。