取材の記録

場所
愛媛県の瀬戸内海、無人島の浜
時期
2019年6月
取材した人
一般社団法人 E.Cオーシャンズ 代表理事・岩田功次さん
テーマ
海洋ごみ、マイクロプラスチック、海の生態系

この記事の要点

  • 2019年6月、愛媛・瀬戸内海で、2016年から無人島や船でしか行けない浜のごみを回収し続ける E.Cオーシャンズ の岩田功次さんを取材した。
  • 浜の砂から、マイクロプラスチックを自分たちの手で濾し取った。色とりどりの小さな粒が、砂と見分けがつかないほど混ざっていた。
  • 「捨てたごみは、誰かが拾う」。この取材が、藤前干潟や各地の海洋保全の取材の始まりになった。

瀬戸内海は、本州・四国・九州に囲まれた、おだやかな内海だ。数多くの島が点在するこの美しい海に、いま目に見えない脅威が広がっている。細かく砕けたプラスチック、マイクロプラスチックだ。2019年の6月、愛媛・瀬戸内海で出会ったこのテーマの取材が、僕にとってのはじまりになった。

船でしか行けない浜に、ごみは流れ着く

取材させていただいたのは、愛媛で活動する E.Cオーシャンズ の岩田功次さん。2016年から、無人島や、陸路ではたどり着けない浜辺に船で近づき、流れ着いたごみを回収し続けている。人が行かない場所ほど、ごみは溜まっていく。

流木とプラスチックごみの打ち上がった浜で作業する岩田さん
船でしか近づけない浜で、ごみを拾う岩田さん。

自分の手で、マイクロプラスチックを濾した

拾ったごみだけではなく、砂の中の細かなプラスチックを、自分たちの手で濾し取らせてもらった。色とりどりの小さな粒が、砂と見分けがつかないほど混ざっている。こりゃ魚たちも、海の動物も死んじゃうし、僕たち人間への影響も計り知れない。そう思った。

砂から濾し取った色とりどりのマイクロプラスチック
浜の砂から濾し取ったマイクロプラスチック。

捨てたごみは、誰かが拾う

何気なく捨ててしまう、プラスチックのごみや、家庭のごみ。忘れてはいけないのは、「捨てたごみは、誰かが拾う」という事だ。どれだけ時間が経ったかわからない、飲みかけのペットボトルさえも、誰かが空けて、捨てている。その一つひとつが、めぐりめぐって海へ流れ着く。波にもまれて砕け、やがて生き物の体の中にまで入り込んでいく。

捨てたごみは、誰かが拾う。
その当たり前を、映像で伝えたかった。

源流の水が、やがて川になるように

このテーマはやがて、藤前干潟の渡り鳥や、各地の海洋保全の取材へとつながっていった。小さな一本の取材が、僕の歩みの源流になっている。源流に流れる水が、やがて大きな川になるように。

成田淳

成田淳(Narita Jun)

映像作家・映像ジャーナリスト。1993年名古屋生まれ。国際NGOのスタッフとして災害・人道支援の現場に立ちながら、人と生き物と地球のドキュメンタリーを制作している。グリーンフィルムフェスティバル2024 最優秀賞。

参考:一般社団法人 E.Cオーシャンズ、日本経済新聞「瀬戸内の無人島でプラごみ拾う 岩田功次さん」

この記事は、2021年4月23日(アースデイ)と2022年9月8日の Instagramの投稿(1・2) をもとに書き直した物です。